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2010年06月13日

日曜随筆

今日の八重山毎日新聞の「日曜随筆」というコーナーに、俺が書いたコラムが載っています。八重山在住の方はチェックお願いします。又、八重山毎日新聞社の公式Web上には「日曜随筆」はアップされないみたいなので、ここに記録として残しておこうと思います。お時間ある方はご覧になって下さいな。

「平和に生きる権利」

もう6、7年近く前になるが、当時、那覇のレンタルショップでアルバイトをしていた私は、時間を持て余している時にはよく映画やCD等の紹介文を書いたりしていた。文章を書く事が好きなのを店長に見込まれ(実際はどうか分からないが)、地元紙「沖縄タイムス」で月に一度だけ映画のレビュー・コーナーを受け持つ事になった。

当時掲載された記事や原稿を自宅の本棚の中から見つけて読んでみたのだが、その何度か掲載された中での戦争映画についての原稿の事を書いていきたい。その時の手書きの原稿と掲載記事を見比べてみると、掲載記事には私が伝えたかった言葉がカットされた部分があった。たんに掲載文字数オーバーによる担当者の判断で削られたものなのか(だが、既定の原稿用紙の範囲内だからそれはないと思う)、それともカットされた文章が全体的にバランスの合わないものだったのか。当時起こった沖国大米軍ヘリ墜落事件の事やなんかもその戦争映画のレビューに交えて揶揄したりしたのが不味かったのかなと今では思う。

因みに、その紹介した映画は「ノーマンズ・ランド」という映画で、アカデミー賞をはじめ数々の映画賞を受賞した作品で、その内容はボスニアとセルビアの中間地帯<ノーマンズ・ランド>で繰り広げられる敵対する兵士3人の物語である。当時の私はヘリ墜落時の日本政府、アメリカ政府の沖縄県民をないがしろにした対応に憤りを感じ、沖縄こそ<ノーマンズ・ランド>(もはやこの島は誰の土地でもない)だと言いたくてレビューに交えてその意思を書き記した。

だが、一番伝えたかったその部分をカットされた事に戸惑いを感じながらも、映画紹介のコーナーだし場違いな文章だったのだろう、私自身の文章の表現力が足りなかったせいだろう、仕方の無かった事なのだろうと自分自身を納得せざるを得なかった。
そして、この場をお借りして懲りずに再びちょっとだけ戦争映画を紹介しようと思う。

日曜随筆
「戦場でワルツを」(2009年日本公開作品)


イスラエル出身のアリ・フォルマン監督の実体験を描いたノンフィクション映画で、彼が兵士だった時代の1982年のレバノン内戦に関する欠落した記憶を辿るドキュメンタリー映画なのだが、めまぐるしく展開していくアニメーション映像とドキュメンタリーという斬新な手法で世界中で熱狂的な支持を受けた。

人は悲しい出来事や惨たらしい出来事に遭遇した時、いつの間にか自分の頭の中からその記憶を都合の良いように消したり変えてしまう。けれども人には決して忘れてはならない事がある。この映画は、戦争の無意味さを、悲劇を真摯に私達にこのように訴えかけてくる。

戦争映画を観ると、つい沖縄の基地問題に置き換えて考えてしまう。

日米両政府は再び沖縄県民をないがしろにし、辺野古への基地移設に関する共同声明を発表した。

これ以上沖縄のかけがえのない自然が基地へと変貌し、失われていくのは何よりも許される事ではない。平和に生きる権利を求めて、私達は自分の信じる道を突き進んでゆかねばならない。



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Posted by ケンヤ マルセイユ at 19:20│Comments(2)政治・社会
この記事へのコメント
日曜随筆見ましたよ!

なかなか
良い内容でしたね(^ω^)
Posted by Keisuke at 2010年06月13日 20:13
私もこれ、最近DVDで見ました!『ペルセポリス』よりもダークで、最後の映像シーンには言葉を失いましたよ。アンジェイ・ワイダ監督の『カティンの森』もDVDになっているので、ぜひご覧ください。
Posted by みわこ at 2010年06月25日 20:06
 
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